子育てに正解はないけれど、「もっとやさしくできたらいいのに」と思う日、ありませんか?
朝から子どもが言うことを聞いてくれない日、ありますよね。 気持ちに余裕がないときほど、なんでもうまく回らなくなってしまって。
「早くして」「何してんの?」「もうなんなん?」 そんな言葉がイライラして思わず口から出てしまって、 玄関でひとり、「また言いすぎたかな…」と落ち込む。
そんな日が続いた頃、たまたま本屋さんで出会ったのが、 林健太郎さんの『子どもを否定しない習慣』という本でした。 タイトルを見た瞬間、今の自分に必要な言葉だと感じて、手に取っていました。
夜、子どもが寝静まったあとにそっと読み始めたこの本。 中身は、いわゆる「怒らない子育てのテクニック」ではなくて、 もっと自分自身の心を整えるための、やさしいヒントが詰まっていました。
この本のなかで特に印象に残ったのは、 「否定ではなく、受けとめることから始めよう」という考え方でした。
子どもがわがままを言ったり、こちらの言うことを聞かなかったりするのは、 たいてい自分なりの理由や気持ちがあってのこと。
「またそんなこと言って…」と否定する代わりに、 「そう思ったんだね」「そうしたかったんだね」と、 まずは気持ちに名前をつけてあげることが大切だと書かれていました。
それだけで、子どもの反応がふっとやわらぐことがある、と。
たとえば、子どもが「保育園行きたくない」と言ったとき、 つい「そんなこと言わないで!」「行かないとダメでしょ」と返しがちですが、
本の中にはこんな風に書かれていました:
『そうか、行きたくないって思ったんだね。どうしてそう思ったの?』
その一言があるだけで、子どもは「気持ちをわかってもらえた」と感じられる。 そうして落ち着いてから、「それでも今日は行こうね」と次の話ができるようになる。
この考え方を読んで、 自分が今までどれだけ「言うことを聞かせる」ことに必死だったか、 そしてどれだけ「子どもの気持ち」に目を向けていなかったかに気づかされました。
次の朝も、やっぱり慌ただしくて、イライラしそうになったのですが、 ふと本の中の言葉を思い出して、深呼吸をしてみました。 ほんの3秒、たったそれだけのことで、 少し気持ちに余裕が生まれた気がします。
完璧にはできないし、また同じようにイライラしてしまうこともあると思います。 でも、この本に書かれていた「失敗しても、またリセットすればいい」という言葉に、 今の私はとても救われています。
育児って、楽しいだけじゃなくて、 悩んだり、反省したり、自己嫌悪になったり、いろんな気持ちの連続ですよね。
でも、そうやって日々を繰り返す中で、 子どもだけじゃなく、私自身も少しずつ育てられているのかもしれません。
この本は、そんなふうに思わせてくれた一冊でした。 「うまくできないな…」と感じている方に、そっと寄り添ってくれるような本です。。
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